ツーリング記録


自分の挑戦などとかっこいい理由を付け、妻の実家まで自転車で 行ってみようと決めた(白石蔵王)。しかし妻も行きたいと言い出し た。そこで考えた。車の免許は持たないし、スポーツもやらない妻 にできることは、電車で行くか原チャリで伴走することであった。 そこで簡単で安い原付の免許をとることに決定した。
さっそくYAMAHAのJOGとやらを新車購入したまではよかったが、 馬力がありすぎて怖いと言うので、仕方なくYAMAHAのミントに買え 替える羽目になってしまったのである。ヤレヤレ ^^;



伊豆一周夫婦ツーリング

1995年7月に「北海道一周夫婦ツーリング」を計画した。その年の2年前、93年夏に「東北一周夫婦ツーリング」を成功させてからの第2弾となるわけある。
北海道の夏は、宿の予約が必要と聞き、5月頃コースを決定しすべての予約を済ませ、予約金の郵送も完了しました。
そこで、北海道ツーリングの練習を兼ねて、6月に2泊3日の行程で伊豆一周ツーリングに出かけた。
1日目=自宅(府中)→小田原→伊東(泊)120km,
2日目=伊東 → 下田 → 松崎(泊)110km,<br>
3日目=松崎 → 内浦 → 沼津 → 府中 205km, … 合計435km を走りました。
ところが、完走した翌日あたりから元気なはずの身体に変調が起こり最悪の結果となってしまった。
「椎間板ヘルニアからの坐骨神経痛」と診断が下されたのです。ガ~ン、まさにショックの始まりでした。
症状は腰が痛くて前に曲げられず、5分と椅子に座っていられません。左脚のお尻あたりから裏側が痛いのです。車も運転できず、もちろん自転車も駄目です。1つだけ出来ることがありました。歩くことはまったく痛くないのです。そこで「通勤ウォーク」を始めることになり、片道5Km(6000歩)を毎日往復して、1日約20000歩をあるくことになったのです。
そこそこ大きな病院でもだめ、普段は目にも止まらなかった「xx整骨院」、[xx整体]、「xxカイロプラテック」やら、10箇所以上は行ったでしょうか、でもほとんど直りません。「もう若くないんだから無理するなよ」の一言にショボン。
会社の先輩(肩から首の痛みで苦しんだ)の紹介で、ある整形外科の肩のスポーツ専門医(長野から1ヶ月に1度来る)に診てもらい、MRIの結果から「ブロック注射」を腰に打ってもらったら痛みが軽くなり、じょじょに良くなっていきました。結局直るまでに半年がかかりました。
そんな訳で、予約金は無駄となり「北海道夫婦ツーリング」は中止となってしまいました。


千歳から北海道2/3周夫婦ツーリング

「椎間板ヘルニア」を克服し、再挑戦
通勤ウォーク、水泳、腹筋・背筋の体操で、なんとか「椎間板ヘルニア」を克服して「北海道ツーリング」に再挑戦するまでになりました。(なるしまのクラブランにも行けず、脚力が落ちての不安がありながら)
それから2年が経ち97年の5月、ついに飛行機と宿の予約を開始した。
<予約した交通経費>
飛行機:ANA 羽田→千歳(7/31) (7月なので安かった)13850円/1名 
飛行機:ANA 千歳→羽田(8/9)  (8月なので高い)     23100円/1名
原チャ:ラビットサービス(日産陸送)自宅から千歳空港止め 54600円(往復)
自転車:ヤマト宅急便 新千歳空港営業所止め 3810円(片道)
※宅急便は自転車梱包箱110cm以内のこと。(20cmX100cmX110cm)
※帰りのために梱包箱を千歳営業所で保管してくれた。



1日目 千歳空港をスタート

1日目 7/31(木)晴れ時々曇り <ヤマト新千歳空港営業所 ~ 静内>

いよいよ、羽田空港10:20発ANAであっと言う間にサポート原チャ「空港の駐車場に陸送で到着済みのYAMAHAミント」を12:00千歳空港に到着。発見。さらに愛車が待つヤマト新千歳空港営業所に向かい、すべて完了である。
 快調にスタートしたが、国道はトラックが多く向かい風となりちょっとがっかり。しかし途中から緑の牧場に放牧されたサラブレッドに歓迎を受け気分が高まる。きっと、いつかこのサラブレッドも私の地元「府中競馬場」に来て走るのだろうと想像する。
 静内の旅館に到着。ご主人が一人で食事の用意をしているので不思議に思ったら、案の定奥さんはガンで入院しているとのこと。ふと今は私たち健康でツーリングが出来て良かったと思った。 静内は呑み屋と旅館と床屋が多いところらしい。たぶん競馬の関係者の出入りが多いからでしょう?


それと、食堂で名古屋から来た二人の青年と会話したが、サラブレッドが好きで牧場を巡って馬を見に来たらしい。面白いことに一人がオリックスの「イチロー」と同じ野球部の2年後輩でした。当時は「イチロー」のことを「イッ君」と呼んでいたそうです。二人ともいい青年でした。
 走行距離=100km(千歳-100km-静内)、 宿泊=ふじや旅館(6000円)

2日目 静内~えりも岬~広尾

 2日目 8/1(金)晴れ時々小雨 <静内 ~ えりも岬 ~ 広尾>
今日はラッキーな追い風でえりも岬を目指す。途中で鉄道の終点「様似駅」で休憩。ここから先は鉄道なしとなり何があってもただ走るのみである。ほとんどフラットな道でトラックも少なく、また白線から1mの路側帯(自転車用には思えないが)ありで快適走行となり「これぞ北海道」を実感する。

だだ海はガスがかかり遠くは見えずちょっと残念。緑のジュウタンを敷き詰めたような見晴らしの良い道路を走り抜け襟裳岬に到着。「襟裳の春は何もない春です…♪♪」拓郎を口ずさむ。

襟裳から広尾に向かうが向かい風で小雨となる。ここでサポート「ミント」の風除けを受ける。ここ「黄金道路」はやはりきびしい。崖っぷちで波しぶきが道路を濡らしているし、何もない寂しい道路である。そのとき崖側でない反時計回りのコースにして良かったとつくづく思った。

最近、鳴嶋さんから、天気は西から崩れるので右周りだ雨と一緒に走ることになると聞き納得。

走行距離=145km (静内-100km-襟裳岬-45km-広尾)  宿泊=ホテル東陽館(7000円)

3日目 広尾~音別~釧路

3日目 8/2(土)小雨後曇り <広尾 ~ 音別 ~ 釧路(茅沼)>
  霧雨のためカッパ着てのスタート。今日は釧路を目指す。道路は真っ直ぐ、とにかく向かい風を受けならかひたすら走りやすい直線道路を走る。途中コンビニで休憩中、女子大生と語らうが、娘と同級であり励ましの言葉に何故か元気が出る。雨も上がり右手に海を眺めながらの走行となる。

やっとのこと釧路に入ったのだが、170kmも走り結構疲れていた。釧路から茅沼まであと20km、腹も減り釧路湿原の大きさを実感しながら、やっとのことホテル到着19時。今日はとても疲れたが、ここの温泉風呂はすばらしく疲れが癒されとても良かった。
走行距離=190km(広尾-100km-音別-90km-茅沼)
宿泊=モールガーデンホテルむらぎし(9000円)


4日目  茅沼 ~ 中標津 ~ 標津

4日目 8/3(日)曇り <茅沼 ~ 中標津 ~ 標津>
  残念ながら釧路湿原をゆっくり探索する時間なく(次の機会にまわすことにして)北上を続け「多和平牧場」に向かう。この辺から車も少なく、道路も良く、アップダウンもなく、真っ直ぐ道路を快適に走る。緑の牧草ジュウタンに囲まれて北海道のすばらしさを実感する。「多和平牧場」からの、360度パロラマの展望は天候も快晴に変わり、もー最高! ここぞ北海道。

次は、中標津の「開陽台展望台」に向かう。ここからの道も快適であったが、途中で道を間違えたような気がして、民家も無く困っていたら運よくマウンテンバイクの若者に会い尋ねたところ案の定逆走していたことが判明、ラッキーであった。(若者に感謝)それほど広大な土地である。無事「開陽台展望台」に到着し、2回目の、360度パロラマの展望を体験して満足した。
走行距離=140km ( 茅沼-40km-多和平-100km-標津 )  宿泊=ホテル楠 国民宿舎(9000円)

5日目 標津~羅臼~ウトロ

5日目 8/4(月)晴れ < 標津 ~ 羅臼 ~ ウトロ >
 標津から羅臼まで海岸線を車も少なく快適に走行。羅臼から知床峠まで約標高1000m、16kmの登りである。北海道に来てはじめてのきつい登りの体験だが、途中雪渓があったり眺めも良く苦にならなかった。知床五湖に寄ったがアップダウンの道で途中「熊に注意」看板に北海道を実感する。

ウトロで知床半島を船で見学したが、6人乗りボートにしたのが失敗。揺れて揺れてどうしようもなく気分が悪かった。大型遊覧船にすればよかったとつくづく後悔した。
走行距離=120km ( 標津-50km-羅臼-50km-知床五湖-20km-ウトロ )
宿泊=酋長の家(8000円)


6日目 ウトロ~網走~サロマ湖

6日目 8/5(火)雨のち曇り < ウトロ ~ 網走 ~ サロマ湖(ピラオロ)>
 またもや一直線の道路を、フォローのラッキー風で網走までひた走る。

定番の網走刑務所により、刑務官に「府中刑務所から来ました」と挨拶をしたが、警戒されてしまった?

常呂町は広大な畑が多く、あちこちに乾草の大玉が転がっていたが、牧草らしい。

網走湖畔で食べたカツカレーは、とても美味かった。主人も色々話しをしてくれて美味さ倍増である。

サロマ湖畔の真新しいコーヒー店に入ったが、あまりのぶっきらぼうな主人(脱サラした感じ)には参った。客は私たちだけで、一言も話してもらえずカックリ。こんな対応でよく店がやっていけると不思議に思った。
走行距離=135km ( ウトロ-75km-網走-60km-ピラオロ )
宿泊=酋長の家(8000円)

7日目 サロマ湖~紋別~枝幸

7日目 8/6(水)晴れ < サロマ湖(ピラオロ) ~ 紋別 ~ 枝幸 >

いよいよ、稚内を目指してスタート。今日もフォローのラッキー風に乗り快適に走る。

紋別を通過したあたりから、めっきり車が減り、伴走のミントと並走できるほどになり、40km平均の快適走行となる。やはり北国なのかな、人も車も少なくなった気がする。
対面ツーリング者約10名で追い越しゼロ、と言うことは、右回りツーリングが多いのだろうか?
今日までの左周りは正解なのだが、果たしてどっちがいいのだろう?
ここ「ニュー枝幸」ホテルは、安く新しくて見晴らしや食事もよくすばらしホテルでした。

毎晩、カニカニカニで体重が一向に減らない。とにかく夕飯と生ビールが美味い。
走行距離=156km ( ピラオロ-156km-枝幸 ) 宿泊=ニュー枝幸(8000円)

8日目 枝幸~宗谷~豊富

8日目 8/7(木)雨のち曇り < 枝幸 ~ 宗谷 ~ 豊富 >

なぜか、日の出の時間に目が覚めて、北海道ではじめて日の出をオホーツクの海から朝もやがたちもめる中、ホテルの窓からじっくりと見ることが出来た。静けさ感謝しながら再び眠りに入った。
いよいよ、今日は最北端「宗谷岬」をめざす。と思いきやウソのようにガスがかかり雨のスタートとなる。家も車も人も少ない道を、右に静かなオホーツクを見ながら、ひたすら北上する。そして雨も上がり一面緑の高原が広がり「宗谷岬」に到着した。千歳から1080kmの道のりであった。ゆっくりと最北端を実感して、いよいよUターンを開始。稚内まで飛行場をを左に快調に走行する。ところが、稚内から豊富に南下を始めた途端きびしい向かい風になる。そうか右が海となり、いままでとは逆走となる訳だ。覚悟を決めミントのサポートを受けることになる。(^^ゞ 

走行距離=164km ( 枝幸-90km-宗谷-74km-豊富 ) 宿泊=川島旅館(8000円)

9日目 豊富~留萌

9日目 8/8(金) 曇り < 豊富 ~ 留萌 >

スタート直後、ミントが悲鳴をあげ始めた。後輪から異音が発生したのだ。ドキドキだ。自転車ならともかく、スクータは修理できないし困った。幸い近くあった小さなバイク屋で見てもらったが、修理不能の返事で「おとなしく走るんだな」の一言。千歳まであと300kmの距離があり、これから走るサロベツ原野とオロロンラインは何もない道のりだ。行けるところまで行こうと決定しスタート。サロベツ原野を横断し、留萌まで一直線の南下である。
利尻山に無事を祈ってスタート、当然の向かい風となり、ミントのサポートを受け、疲れきってギコギコ走るミントの後姿をチェックしながらの走行である。

延々と続く右に日本海、左に砂浜で一直線の道をひたすらこぎ続けるだけであるが気分はいい。トラックも高速道なみにびゅんびゅん追い越して行くが、反対車線まで離れてくれるので恐怖感はない。途中シェルターでトイレタイムをとり、20km間隔くらいで町があるので、ちょうどいい休憩ができるのである。
途中、女性トライアスリートに出会い、ここはトライアスロン大会のあるところで練習中とのこと、なぜか自分もトライアスリートになったつもりになり、適度なアップダウンの道を快調に走ることになる。しかし、留萌手前50km位から雨が降りだし、ホテルまではじめて大雨を体験する。
走行距離=165km ( 豊富-165km-留萌 ) 宿泊=ホテル神居岩(9000円)

10日目 留萌~千歳(ゴール)

10日目 8/9(土) 曇り < 留萌 ~ 千歳 >

いよいよ最終日、ミントもなんとか走りそうで一安心。ホテルの社長さんに千歳までのフラットな道を聞いておいたので楽な気持ちでスタートする。海と別れて内陸に入るが、やはり海岸線がいいことを実感する。途中小雨となるが、碧水から滝川を経て一直線に南下する。
途中サッポロビール工場の正門前に到着、見学して一杯やりたかったがカッパ姿で濡れていたので断念し千歳をめざす。そして建物と車が多くなった夕方17:30無事千歳駅に到着した。 お疲れ様でした。
走行距離=160km ( 留萌-160km-千歳 ) 宿泊=ホテルかめや(9000円)

<編集後記>

北海道は、暑くも無く寒くもなく、道路はいいし一直線の道もいい、海岸線は坂も少ない、車も少ない、緑のジュウタンは気持ちいい。

とにかくロードレーサで走るには最高だと思いました。今度は千歳から南北海道を走ってみようと考えています。


合計走行距離:1484km(10日間)


ロードレーサ:Lookカーボン
タイヤ   :700C/WO、 パンク無し、チェンオイル補給3回

シューズ  :SPD

合計費用(2人分)350000円( 175000円/1人 ) 
・飛行機:74000
・宿泊代:180000
・ヤマト宅急便:10000
・昼食代: 30000
・日産陸送:52000
・ガソリン代: 3000